個人的memo　通貨・金利・債券

ビットコイン（BTC）が生まれた背景には、金融システムへの不信や分散型技術への関心が深く関わっています。以下に、その主な背景を分かりやすく解説します。

1. 2008年の金融危機（リーマン・ショック）の影響
2008年、アメリカの投資銀行「リーマン・ブラザーズ」の破綻をきっかけに世界的な金融危機が発生しました。

この事件により、中央集権的な銀行システムへの不信感が高まり、「政府や銀行に依存しない通貨」への需要が生まれました。

ビットコインは、このような中央管理者を不要とする「非中央集権型（Decentralized）」の通貨として設計されました。

2. サトシ・ナカモトのホワイトペーパー
2008年10月31日、サトシ・ナカモト（正体不明の個人またはグループ）がビットコインのホワイトペーパーを発表。

この論文では、ブロックチェーン技術を用いた「P2P（ピア・ツー・ピア）電子通貨システム」が提案されました。

2009年1月3日、ビットコインの最初のブロック（ジェネシス・ブロック）が採掘され、ネットワークが稼働開始しました。

3. 暗号技術と分散型システムの進化
ビットコインは、以下のような既存の技術を組み合わせて誕生しました：

ブロックチェーン：取引データを改ざん困難な形で記録。

Proof of Work（PoW）：ネットワークの合意形成（コンセンサス）アルゴリズム。

公開鍵暗号：安全な取引を実現。

1990年代から研究されていた「デジタルキャッシュ」（例：DigiCash）の失敗を踏まえ、経済的インセンティブを組み込んだ設計が特徴です。

4. サイファーパンク運動の影響
1980～90年代、サイファーパンク（暗号技術によるプライバシー保護を主張するグループ）が、政府や企業からの監視に対抗する手段として暗号通貨を構想していました。

ビットコインは、この思想を受け継ぎ、「個人の金融主権」を実現するツールとして設計されました。

5. ビットコインの最初の用途
2010年5月22日、プログラマーがピザ2枚を1万BTCで購入（史上初の現実世界での取引）。

当時は「実験的な通貨」でしたが、次第に投機対象や価値の保存手段（デジタルゴールド）として認知されていきます。

まとめ
ビットコインは、
 金融危機への不信
 分散型技術の進化
 暗号通貨の思想的背景
が組み合わさって生まれました。サトシ・ナカモトの正体は未解明ですが、そのビジョンは現在の暗号資産（クリプト）市場の基礎となっています。