Coinhiveとは何ですか また2018年のCoinhive事件の概要を教えてください
Coinhive(コインハイブ) は、2017年に公開された ブラウザ上で暗号通貨「Monero(XMR)」をマイニングするJavaScriptライブラリ です。
ウェブサイトの運営者が、訪問者のCPUリソースを利用してMoneroをマイニングし、広告収入に代わる収益源として利用できる仕組みでした。

Coinhiveの特徴
訪問者がサイトを閲覧している間、バックグラウンドでマイニングが実行される。

サイト運営者は設定により、ユーザーに許可を得てからマイニングを開始することも可能だった。

当初は合法な収益化ツールとして注目されたが、ユーザーの同意なしにマイニングを実行する悪用事例 が急増した。

2018年の「Coinhive事件」概要
2018年、Coinhiveを悪用した サイバー犯罪事件 が相次ぎ、日本でも大きな話題となりました。主な事件の流れは以下の通りです。

1. 事件の内容
ユーザー無許可のマイニング(クリプトジャッキング):
複数のウェブサイトやポルノ動画配信サイトが、訪問者のPCやスマホに気づかれないようにCoinhiveを仕込み、Moneroを不正にマイニングしていた。

公共サービスへの攻撃:
日本の地方自治体のウェブサイトや企業サイトがハッキングされ、訪問者のCPUリソースを勝手に使われる事例が発生。

マルウェアとの連動:
一部のウイルス(Emotetなど)がCoinhiveスクリプトを組み込み、感染PCでマイニングを実行するケースも確認された。

2. 逮捕者(日本での事例)
2018年6月、神奈川県警 は、Coinhiveを悪用した 日本初の逮捕者 を出しました。

容疑:
アダルト動画サイトを運営し、訪問者のPCで無断でマイニングを行い、約 7,000円分のMonero を不正取得した疑い。

適用法令:
「不正指令電磁的記録供用罪」(刑法第234条の2)(ユーザーのデバイスに無断でプログラムを実行させた罪)。

3. Coinhiveの終焉
2018年以降、Moneroの価格下落や規制強化により、Coinhiveの収益性が低下。

2019年3月、Coinhiveは サービス終了 を発表。

現在は類似ツールも減少しているが、クリプトジャッキングの脅威は続いている。

まとめ
Coinhiveは本来、合法な収益化ツールとして開発されたが、ユーザー無許可での悪用が社会問題化。

日本では 「不正指令電磁的記録供用罪」 で摘発された初の事例となり、サイバー犯罪の新たな手法として注目された。

現在もブラウザ経由の不正マイニングには注意が必要。

参考までに、当時は 「このサイトはマイニングを行います」と明記するサイトも存在 しましたが、無許可での実行は世界的に規制が進んでいます。